【2017ヨーロッパ紀行文⑧】さあ,出航!
2017/10/12 ベルリン神輿ヴィクトルの家を出ると彼は港まで連れて行ってくれた。
途中,オパティアのホテルにより,おばさんから何か受け取る。
「ヴィクトル,それなに?」
「島で友達が待っているんだ,奥さんから,彼に食糧をさ」
どうやら一週間分の食糧のデリバリーらしい。
僕らも一泊分の荷物をあれこれ積んで,港へと歩く。
「水を汲んで,ここで待ってろ」
ヴィクトルはもう水着に着替えて,船がたくさん泊まっているハーバーの方へ向かった。
ヴィクトルの船を取りに行くためには,泳いで行かなければならない。
僕らは荷物の前に座り込み,到着を待った。
「あれ,そうじゃない?」
少し遠くに何度もエンジンのスターターの紐を引っ張っている。
が,ちっともかからない。
「大丈夫かな・・・。」
5分くらい経ってエンジンがかからないと,ヴィクトルは寝そべって休憩したりしている。
僕らは少し不安になったが,いよいよ出発の時を感じ青く続く海を睨んだ。
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ベルリンの盆踊りは大成功に終わった。
僕は片付けを終え,資材を積んだトラックに今日出店していた若い日本人のシェフたち二人を乗せ,宿へと戻った。
彼らは大阪からベルリンへと来て飲食を学び,やっと独立して店舗を持たないスタイルで営業しているらしい。
営業後,スタッフみんなにお弁当を作ってくれた。
あまりたくさんは売れなかったようだが,日本文化へのベルリナーの興味は予想以上だったようだ。
トライアルの意味も強かった今回の盆踊りパーティーだが,来年以降さらに発展して行く事が出来そうだ。
今年の反省を活かして,新たにまたベルリンの文化となっていけば嬉しい。
その日は夜も遅く,家に帰ってすぐ寝た。
次は,神輿をベルリンの日本人学校へと持って行かなければならない。
昨年に引き続き,ベルリンの小学生に神輿の文化を伝える。
日本人学校にいる子供達は,ハーフだったり純粋な日本人だったり,様々だが,大抵は親の仕事で一時的に日本にいる。
故郷は日本にあるので,なんとなく日本の思い出があるのだ。
お祭り行ってみたい,お神輿担いでみたい,だけどドイツでは・・・
と言った子達が多い。
そう言った子供達に近くで本物のお神輿を見せてあげたり,今年は加えて盆踊りも一緒に踊る予定だ。
昨年キラキラした表情を見せてくれた子供達,また会えるのかな・・・なんて僕は少し胸を膨らませていた。