【2017ヨーロッパ紀行文⑦】空手家,ヴィクトル
2017/09/30 ベルリン神輿僕らはバスに乗りこんだ。
クロアチアのバスは2両に分かれていて,とても長い。
少し不機嫌そうな運転手を横目に,たくさんの荷物を抱えた僕らは青く美しい外の海と空の景色を見ていた。
目印はガソリンスタンド。
さっき出会ったおじさんが教えてくれた。
そこが僕らの目的地,オパティアという街だ。
ガソリンスタンドは,道沿いにあるのかと思ったら少し大きめのターミナルの中にあった。
神経を集中して三人で探していたが,それは必要なかったようだ。
バスを降りると,大きめのバイクに乗った体格のいいライダー。
vidを発見して彼はこちらに寄って来た。
「ようこそ,オパティアへ!」
僕らは彼の家まで歩いて行く事になった。
大冒険の始まりだ。これから僕らは,彼の船に乗って4時間(と,この時点では聞いていた)走り,クロアチアの島へキャンプに行くのだ。
彼の名は,ヴィクトル。vidの父親の愛弟子だ。
ヴィクトルの家へと,僕らは坂を登り始めた。
********************************************
ベルリンの盆踊りが終わった。
21時を過ぎても明るいベルリンの街だが,片付け始めるとだんだんと日が落ちて来た。
ベルリンの仲間と一緒に,一気に片付けを始めた。
紅白幕や提灯を外していく。
高いところの作業もあるので,急いで撤去だ。
日本人とドイツ人,その辺にいた人たちも一緒になって片付けを進めて行く。
僕らの盆踊りは,今日終わった。
そこに流れている空気はとても温かだ。
みんなで協力して組み立てていった時間。
たくさんの人たちの嬉しい気持ちが空気となって残っていた。
日本の楽しい文化が,ここベルリンでも笑顔を作ることが出来たこと。
また僕は,日本文化の素晴らしさを感じた。
さて,次は一週間後,もう一度,2回目の神輿が上がる。
カウントダウンは始まった。
昨年,みんなで起こした奇跡をもう一度!
祖父のお神輿は,もうすでにベルリンに到着している。
全部片付け終わり,最初来た時の様子に戻った会場。
しかしそこには,僕たちが残した温かな空気が残っていた。